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トイレトレーニングの基礎知識

トイレトレーニングの三原則

子どもの成長は一人ひとり個性がありますね。トイレトレーニングを始める時期や進め方は、子どもそれぞれ。また、早く始めれば早くおむつを卒業できるわけではないのです。絶対という正解がないのもトイレトレーニング。それでも、ママ・パパたちにこれだけは知っておいてほしいということがあります。

1)子どもがトイレトレーニングを始める上で十分発育している

「トイレに行こうか?」などのママ・パパの言葉が理解できたり、「おしっこ」や「うんち」が何であるかわかったり、トイレやおまるまで歩いて行けるなどができないと、トイレトレーニングはスタートできません。

2)親の都合だけでトレーニングを開始しない

おむつはいずれ誰でもはずれていくものです。それを「もう2歳になったから」とか、「おむつをしているのが恥ずかしい」、「おむつ代がかかるから」など、親の都合でスタートしてもうまくいきません。大事なのは1)のように子どもの発育状態なのです。

3)無理強いしたり、失敗したときにしかったりしない。うまくできたらたくさんほめる

そもそもおむつは、子どもが好きでしているものではありませんね。大人の空間を汚さないために、大人の都合でさせているものです。だから、無理強いしても実は逆効果。子どものペースに合わせるのがトイレトレーニングでは大事なことなのです。

十分に成長すればいつかははずれるものなので、ママやパパが焦っておむつをはずそうとしないであげてください。トレーニング中におもらしをしてしまったり、上手にトイレやおまるでできなくても、決してしからないであげてください。

そのかわり、上手にできたら、たくさんほめてあげましょう。ほめられることが、次のやる気につながり、スムーズなトイレトレーニングへの近道なのです。

からだの発達とおしっこのしくみ

赤ちゃんはなぜおむつが必要で、成長するとなぜおむつがなくてもトイレまで我慢できるようになるのでしょう。それにはからだの発達とおしっこのしくみが関係しています。

おしっこは腎臓でつくられ、まず膀胱に貯められます。そして、いっぱいになると膀胱がきゅっと縮まっておしっこが出ます。成長すると、膀胱と脳をつなぐ神経が発達して、膀胱がいっぱいになっても、我慢できるようになるのです。

成長段階ごとのからだのしくみを知っておくと、「トイレトレーニングは早く始めても早くおむつを卒業できるとは限らない」ことや、「親が無理強いしてはいけない」ことの理由がわかると思います。

0歳〜1歳前半ごろ

自分の意思に関係なく、おしっこがたまると膀胱が勝手に収縮して、新生児のうちは1日20回くらいのおしっこが出ます。

1歳前後になるとおしっこの回数が減り1回の量が増えてきますが、まだ膀胱と脳をつなぐ神経は十分には発達していません。

1歳後半ごろ

膀胱が少し大きくなって、赤ちゃんのときよりおしっこをためられるようになってきます。でもまだ、膀胱と脳の伝達する機能は確立されていないので、おしっこを我慢することはできません。

2歳ごろ

2歳を過ぎると、膀胱も大きくなりおしっこがためられてきます。膀胱と脳の伝達回路も通じてきて、おしっこがたまった感覚を意識できるようになります。

3歳ごろ

膀胱と脳の伝達回路が確立され,「おしっこがしたい」と感じてからおしっこが出るようになります。

4歳〜

膀胱と脳の伝達回路は大人とほぼ同じになってきます。「おしっこがしたい」と感じても、トイレまで我慢できるようになり、昼間のおしっこを調節できるようになって、おむつはずれの日を迎えることになります。

監修:

昭和大学医学部小児科学講座 教授

池田裕一先生